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【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示 in 空港ロビーの展示替えをおこないました。(2018年06月08日)

平成30年5月29日(火)~7月29日(日)の期間に展示中の作品を紹介します。

加守田章二 かもだしょうじ
《鉢【はち】》 1979年 
高さ4.5㎝ 口径34.5㎝ 

加守田章二(1933年大阪府岸和田【きしわだ】市生まれ。1983年栃木県河内郡〈現在は下野【しもつけ】市〉没)は、1952年に陶芸を志して京都市立美術大学工芸科陶磁器専攻に入学し、富本憲吉【とみもとけんきち】(1886~1963)、近藤悠三【こんどうゆうぞう】(1902~1985)に師事【しじ】しました。同大卒業後は茨城県日立市の大甕陶苑【おおみかとうえん】を経て、1958年に栃木県益子【ましこ】町に移住して独立し、さらに完成度の高い作品を次々と発表して注目を浴びました。1961年日本伝統工芸展に初入選。1966年は日本陶磁協会賞、1967年には高村光太郎【たかむらこうたろう】賞を受賞。また、1969年からは岩手県遠野【とおの】市にも築窯し、発表するごとに造形性と装飾性を一変させた、生命感溢【あふ】れる作風を展開しました。1974年には芸術選奨文部大臣新人賞を受賞しましたが、1983年の50歳を目前に惜しくも他界しました。
本作は、作風を様々に展開させてきた加守田が晩年近くに到達した、装飾的表現性の強い傑作の一つです。
半磁器【はんじき】でつくられたこの浅い鉢は、見込【みこ】みに細くとがった縞模様【しまもよう】が刻まれ、そこに赤、青、緑、白の色釉【しきゆう】が施されていますが、周囲をつや消しの黒釉【こくゆう】で塗【ぬ】られたこの彩釉縞文【さいゆうしまもん】は、あたかも闇中【あんちゅう】に閃光【せんこう】を見るような力強い精気【せいき】の発散を感じさせます。(松下久子【まつしたひさこ】氏寄贈)

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL.0838-24-2400〕