お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2020年03月23日)

2020年3月24日(火)~5月24日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

三輪龍氣生 みわりゅうきしょう
《Love》 1969年
高さ42.4cm 幅29.9㎝ 奥行36.6㎝  

1967年3月に東京藝術大学大学院陶芸専攻を修了した、三輪龍氣生(本名龍作【りょうさく】、十二代休雪【きゅうせつ】、1940年生まれ)は、翌年12月に、萩焼の伝統土を用いた陶造形のハイヒール数多【あまた】を陳列した初個展、「優雅な欲望展」(壱番館画廊)で鮮烈な作家デビューを果たしました。以来エロスを緒【いとぐち】に、「生」と「死」という人間存在の根本的主題を一貫して追求しています。その強烈な表現力は、情念の告白をもって内面によどむ深憂をさらし、苦悩のうちにある「生」のはかなくも魅力あふれる一瞬と、時空を超えた「死」への諦観とを融和させた作品を続々と生み出してきました。本作品は、やはり銀座の壱番館画廊で催【もよお】された二回目の個展(1969年)で発表された〈愛液〉シリーズの一点です。頸のひん曲がった瓶とその口から噴き出す粘液の造形も扇情的ですが、全体に施されたサイケデリックな艶釉薬のぎらつきに、やがて色あせる刹那的欲望への哀愁が重ね合わされています。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕