お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2017年05月29日)

平成29年5月30日(火)~7月30日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

十二代三輪休雪 じゅうにだいみわきゅうせつ

《水指「夏子」【みずさし「なつこ」】》 1996年

高さ26.3×幅46.0cm

 

 十二代三輪休雪(本名龍作【りょうさく】、1940年生まれ)は、1663年から萩藩御用を務めとする萩焼の伝統窯に生まれ育ちながら、東京藝術大学大学院陶芸専攻を修了した1967年にハイヒールを象【かたど】ったオブジェ陶作品で衝撃的な作家デビューを果たし、一躍前衛陶芸の旗手となりました。以来「エロス(性愛)」をいとぐちに、「生」と「死」という人間存在の根本的主題について、彫刻的具象表現による作陶活動を継続しています。その異能の造形力は、激しい情念の発露【はつろ】でもって内奥【ないおう】の不安を顕在化させ、苦悩し続ける「生」のはかなくも魅力あふれる一瞬と、時空を超えた「死」の静謐【せいひつ】を融和【ゆうわ】させた作品を数多く生みだしてきました。

この作品は、初めて茶室にエロスの思想を導入した展示「三輪龍作の美学―壱【いち】」(当館)で発表された水指です。伯父の休和【きゅうわ】(十代休雪)が開発した「休雪白【きゅうせつしろ】(白萩釉【しらはぎゆう】)」をたっぷりとまとった、豊満な乳房と細やかな肩から指先の対比に妖艶さが強調されています。

 

                                                                                         ≪お問合せ先:山口県立萩美術館・浦上記念館   TEL0838-24-2400≫