お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示 in 空港ロビーの展示替えをおこないました。(2019年09月17日)

2019年9月18日(水)~11月24日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

小野寺玄 おのでらげん
《炭化練上雨天連山図扁壺【たんかねりあげうてんれんざんずへんこ】》1980年頃 
高さ32.0㎝ 胴径38.0×24.0㎝

小野寺玄(1934~2016、北海道釧路【くしろ】市生まれ)は、1953年東京の文化学院美術科に入学し、西村伊作【にしむらいさく】(1884~1963)院長の陶芸研究室で助手となったことで陶芸を始めます。同院卒業後は、北大路魯山人【きたおおじろさんじん】(1883~1959)に師事。1962年神奈川県大磯【おおいそ】町に「潮音窯【ちょうおんがま】」を築窯、独立して以降は、創作の原点を求めて各地の土の採集、研究に専念。1977年石川県能登半島の珠洲【すず】の土による炭化焼成作品「珠洲土壺【すずつちつぼ】」で第4回日本陶芸展文部大臣賞を受賞しました。1980年代からは白と黒の土による炭化練上の技法でさらに表現の幅を広げ、端正な器形に雄大な自然風景を表現した炭化練上作品「炭化練上連山図花生【はないけ】」が、1983年の第7回日本陶芸展で最優秀作品賞・秩父宮賜杯【ちちぶのみやしはい】を受賞しました。同年にはさらに日本陶磁協会賞を受賞し、以後も日本陶芸展や日本伝統工芸展を中心に活躍。この炭化練上による扁壺も、数種の白土と黒土を微妙に配合し手業で積み上げ、白と黒の粘土による繊細なグラデーションにより、壮大な自然空間を器面に現出させています。

[お問合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838‐24‐2400]