お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2020年07月28日)

2020年7月28日(火)~9月27日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

辻清明 つじせいめい
《信楽帽子【しがらきぼうし】》 2006年
高さ15.5cm 口径28.0×28.2㎝

辻清明(1927-2008)は、信楽の土を使った制作を主とした陶芸家です。1927年に東京で生まれ、幼い頃から身近に古陶のある環境で育ったこともあってか作陶に造詣【ぞうけい】が深く、14歳の時に「辻陶器研究所」を設立。当時活躍していた陶芸家の富本憲吉【とみもとけんきち】や板谷波山【いたやはざん】との交流のなかで、審美眼【しんびがん】やわざを磨いていきます。日本のやきものを代表する六つの産地「六古窯【ろっこよう】」のひとつ信楽に魅了され、その土を取り寄せて東京で制作を始めます。信楽は、焼成【しょうせい】時にかかった薪【まき】の灰や、その間から見える土の質感、全体的な色調など人の手の及ばない所で生み出される景色が魅力です。辻はそこに日本のやきものの面白さを見出し、自ら仕上がりを方向付けながらも自然が作り出す表情とのバランスをはかった制作で、ユーモラスな作品を生み出しました。本作品は西洋風の帽子のオブジェ。和とも洋ともつかない独特の雰囲気は、信楽の素朴さを生かした辻独自の表現により新しい信楽の味わいを見せています。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕