お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2021年06月01日)

2021年6月1日(火)~7月25日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

木村芳郎 きむらよしろう 
《碧釉漣文壺【へきゆうれんもんこ】》 2014年 
高さ39.0㎝ 胴径44.0㎝ 

木村芳郎(1946-)は、瀬戸内海に面した愛媛県今治市生まれ。大学時代、茶の湯や禅、茶室建築に触れ、そこで使われるやきものに興味をもち、作陶を始めます。1970年に大学を卒業し、1年余りかけてロシア、欧州など47ヶ国を巡り、その旅で目にした、突き抜けるように澄んだ青空や美しい海に強く心惹かれます。1975年、広島県東広島市に「太祖窯【たいそがま】」を築き、制作活動が本格化するなかでも、白磁、赤絵、織部、備前など多くの陶磁器について、実際に産地へ行くなどして様々なことを自身で学びます。そうして重ねた経験や知識はわざを磨き、かつての長い旅で心を動かした空や海の表情を切り取ったようなやきものが作りたいというゆるぎない気持ちは、木村作品の代名詞「碧釉【へきゆう】」へと結実します。本作品の丸みをもった造形は、海中の深度を思わせる青のグラデーションを美しく見せると同時に、計り知れないエネルギーが海上へ湧きあがるワンシーンをとどめているようです。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕