お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2020年11月30日)

2020年12月1日(火)~2021年1月24日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

小野寺玄 おのでらげん
《珠洲土壺【すずつちつぼ】》 1977年
高さ26.0cm 胴径32.0㎝

小野寺玄(1934-2016)は、石川県能登半島で作られた珠洲古陶【すずことう】に魅せられて制作に取り組んだ陶芸家です。1934年に北海道釧路市に生まれ、1953年美術大学を目指して上京し、東京の文化学院の陶芸研究室で助手を務め、また、北大路魯山人【きたおおじろさんじん】のもとで修業するなど陶芸を深めていきます。1962年に神奈川県中郡大磯町に「潮音窯【ちょうおんかま】」を築き、独立。1972年に神奈川県立博物館で開催された「中世の陶器」展で珠洲焼と出会う。以降、その特徴である灰色から黒色の暗い色調を目指して、薪から発生した炭素を表面に吸着させる炭化焼成【たんかしょうせい】により黒い肌の作品を制作。また、種類の異なる土を使った炭化練り上げ【たんかねりあげ】による黒から白のグラデーション、線文や象嵌【ぞうがん】などの手法で装飾性を高め、モノトーンの世界を豊かに表現した。本作品は炭化焼成による代表的な作風で、珠洲の土で作られた黒い肌に合うたくましい広口の壺は、形と色調のバランスの良さで魅了します。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕