お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2021年01月26日)

2021年1月26日(火)~3月21日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

兼田昌尚 かねたまさなお
《萩白釉窯変刳貫水指【はぎはくゆうようへんくりぬきみずさし】》 1995年
高さ22.0cm 胴径23.5㎝

兼田昌尚は1953年天寵山窯【てんちょうざんがま】七代兼田三左衛門【さんざえもん】の長男として萩市前小畑【まえおばた】に生まれ、1979年筑波大学大学院芸術研究科(彫塑)を修了後、萩に戻り父に師事。日本伝統工芸展に作品を発表し、1985年日本工芸会正会員となりましたが、1991年同会を退会。以後個展を中心に広く国内外で作品を発表。日本工芸会退会後は、それまでの轆轤【ろくろ】による成形【せいけい】を止め、土の塊を叩【たた】き締【し】め、内側を刳り貫き量塊的【りょうかいてき】な形態を作り出す刳貫【くりぬき】技法と呼ばれる成形技法へと変化。2000年からは筑波大学芸術学系助教授として3年間教鞭を執り、2004年山口県文化功労賞受賞。2005年には天寵山窯八代に就任。この水指は刳貫技法により成形後、萩伝統の白萩釉【しらはぎゆう】が施され、釉薬が窯変し一部ピンク色を呈しています。叩きによる野趣溢【あふ】れる稜線【りょうせん】が立ち、作者の造形意志と素材の土とのせめぎ合いにより陶芸独自の造形が生み出されています。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕