お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2021年11月16日)

2021年11月16日(火)~2022年1月16日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

濱田庄司 はまだしょうじ
《白差指描大鉢【しろさしゆびがきおおばち】》 1977年
口径52.0㎝

濱田庄司(1894-1978)は、神奈川県生まれ。本名を象二と言う。1913年、板谷波山【いたやはざん】が教鞭【きょうべん】をとる東京高等工業学校窯業科に進学し、2年先輩の河井寛次郎【かわいかんじろう】と出会います。1916年に京都市立陶磁器試験場に就職し、先に就職した河井とともに釉薬【ゆうやく】の研究に励みます。この頃、富本憲吉【とみもとけんきち】や柳宗悦【やなぎむねよし】、バーナード・リーチと出会い、1920年リーチとイギリスのセント・アイヴスへ渡り作陶、1924年に帰国し、栃木県益子で制作を始めます。日本各地の窯を河井らと訪ねて研究する中で、民衆が普段使う素朴な雑器に美的価値を見出そうとする「民芸運動」を開始。1955年国指定重要無形文化財「民芸陶器」の保持者に認定されます。本作品は、益子など各地の民窯【みんよう】の伝統技法が使われており、とくに飴釉【あめゆう】の上に描かれたざっくりとした波状文【はじょうもん】は指によるもので、代表的なわざです。中心で交わる白釉【はくゆう】を湛【たた】えた線は、柄杓【ひしゃく】などの注ぎ口から流し掛けたダイナミックな技法によるもので、50㎝を超える画面に調和しています。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕