お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2015年12月01日)

平成27年11月25日(水)~12月27日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

三輪和彦 ≪花冠 №33≫ 2003年

高90.0×幅25.0×奥行28.0㎝

 

三輪和彦(1951年生まれ)は、萩(長州)藩御用を務めた伝統窯の三輪家に生まれ育ちました。かれは、約350年にわたって歴代の当主が開発し伝えてきた萩焼の作陶技術に着目し、制作プロセスに現れる素材の物質的変容そのものを前面に押し出して作品化するという、陶芸ならでは表現力を追究している作家です。

このオブジェ的作品(大型の花入)が放つ威圧感は、土や釉薬が見せる「かたまり」「ひずみ」「やぶれ」「くずれ」「とけ」「まざりあい」といった、素材の物質性に由来する現象のすべてを造形要素として取り込もうとする、かれの造形思考の反映です。言い換えれば、自己の表現を、自身と素材との親和的交感の再現と捉えて、一つの素直な陶のかたちに立ち上げようとするユニークな表現傾向です。

その表現性が、素材と真摯に対峙したときの自己の在り方を、量塊感や重量感をともなった陶の在り方に置き換えて、この作品のモニュメンタルで力強い造形に結実しています。

お問合せ先/山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400

花冠№33_三輪和彦(K381)