お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2016年04月25日)

平成28年4月26日(火)~6月26日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

 

兼田昌尚 かねたまさなお

 

《萩粉引刳貫花入【はぎこひきくりぬきはないれ】》 1995年 

 

高さ60.7×幅67.6×奥行34.8cm

 

 

兼田昌尚(1953年生まれ)は、江戸時代後期の文化13年(1817)から続く天寵山窯【てんちょうざんがま】七代兼田三左衛門【かねたさんざえもん】の長男として萩市前小畑【まえおばた】に生まれました。1979年に筑波大学大学院芸術研究科(彫塑コース)を修了後、萩に戻って父に師事して作陶の道に入りました。はじめは日本伝統工芸展を舞台に作品を発表し、1985年には日本工芸会正会員にもなりましたが、1991年に同会を脱退しました。以後はどの団体にも所属せず、個展を中心に美術館の企画展など、広く国内外で発表活動を続けています。日本工芸会からの退会を契機に、轆轤成形【ろくろせいけい】による土の構築法を止め、土塊【つちくれ】を叩き締めて量塊的【りょうかいてき】形態を求める手法へと転じました。刳貫【くりぬき】技法と呼ばれるこの構築法は、自己の内面に潜在する不確定で多義的なイメージを顕在化させる行為であり、制作プロセスにおける押圧の痕跡を抽象化する自動書記【オートマティスム】的な手法の陶芸制作への適応ともいえます。平成12年(2000)から3年間、筑波大学芸術学系助教授として教鞭を執り、平成17年(2005)には天寵山窯八代を継承しました。

 

                       ≪お問合せ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400≫

16-1_兼田昌尚≪萩粉引刳貫花入≫K324