お知らせ

山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示 in 空港ロビーの展示替えをおこないました。(2019年04月21日)

2019年3月19日(火)~5月26日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

十四代今泉今右衛門 いまいずみいまえもん
《色絵薄墨墨はじき草花更紗文額皿【いろえうすずみすみはじきそうかさらさもんがくさら】》2018年
高さ7.0cm 口径38.4×38.45㎝ 

江戸期に佐賀藩窯【さがはんよう】でつくられた鍋島焼【なべしまやき】のうち、染付【そめつけ】の藍【あい】色を下絵に赤・緑・黄を基調色とする上絵付【うわえつけ】(赤絵【あかえ】)を施し、華麗な装飾文様で彩【いろど】った白磁を「色鍋島【いろなべしま】」とよびます。御用【ごよう】赤絵師だった有田【ありた】の今泉今右衛門家は、素地【きじ】・釉薬【ゆうやく】・色料といった素材の調製から成形・下絵付【したえつけ】・施釉・本焼【ほんやき】・上絵付にいたる色鍋島の製造技術を明治期に復興しました。「色絵磁器」の人間国宝でもある当代の今右衛門は、色鍋島のわざと美を現代に伝える表現者として知られています。
本作は、色鍋島に劣らぬ高品質の色絵磁器を制作した、祖父十二代今右衛門の《色絵更紗文八角皿》の表現力に触発された作品。コミカルな更紗風モチーフを散りばめモダンな清新性を表した染付文様を、落ち着いたセピア調のノーブルな意匠に再構成しました。色鍋島の伝統になかったプラチナ彩のみせる洗練美に、この作家の伝統観が技術保存ばかりかいかに表現の革新性に重きをおいているか、よくわかる一品です。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館  TEL0838ー24ー2400〕