2022年9月27日(火)~11月27日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。
十三代三輪休雪 じゅうさんだいみわきゅうせつ
《白い夢【しろいゆめ】》 1991年
最大径 29.5㎝
萩焼の伝統窯三輪窯の家督を令和となって継いだ十三代三輪休雪(本名・和彦【かずひこ】1951~)は、土とのリアルな交わりをそのまま表現に取り込んだ大型の陶の造形作品を制作する一方で、伯父の三輪休和【きゅうわ】(十代休雪)が完成させた白萩釉【しらはぎゆう】「休雪白【きゅうせつしろ】」と父三輪壽雪【じゅせつ】(十一代休雪)による刳貫き【くりぬき】や鬼萩【おにはぎ】の造形思考を受け継いだ斬新な茶陶造形を創り出しています。
本作は一見水指【みずさし】のようにも見えますが、天空をさすように先端がとがった円錐【えんすい】状の蓋【ふた】や、ダイナミックな轆轤【ろくろ】の回転運動の痕跡【こんせき】を顕わ【あらわ】にした轆轤目、所々にあけられた穴など、実用の器物の機能を超えたフォルムとなっています。それは轆轤と作者と土とが渾然一体【こんぜんいったい】となって動くことによってはじめて作り出されたもので、その生気溢【あふ】れる運動それ自体がかたちに結実し、その豊かな視覚化がこの作品の最大の魅力となっています。
〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕