2023年8月1日(火)~9月24日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。
石橋裕史 いしばしゆうし
《彩刻磁鉢【さいこくじばち】》 2007年
高さ 21.5㎝ 径 48.5㎝
石橋裕史(1957~)は、東京都生まれ。滴翠【てきすい】美術館陶芸研究所専攻科で学び、現在は京都府を拠点に活動しています。1985年に朝日陶芸展新人奨励賞を受賞、2001年には第48回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞と、その後も受賞を重ねて2015年には京都府指定無形文化財「陶磁」の保持者に認定されます。
本作品の名称にある「彩刻磁」は、作家独自の技法を表しています。これは、ガラスの制作技法「サンドブラスト」を応用した技で、やきものの焼成後に釉薬がガラス質に変化する点を利用しており、その厚さを少しずつ調整しながら削り出すことで、段階的な色彩変化を表現しています。本作品の白から青への色彩は清々しく、そのグラデーションで表現された模様は、のびやかな広がりを見せる器の形と調和し、彩刻磁をいっそう魅力的なものにしています。
〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕