お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2021年09月28日)

2021年9月28日(火)~11月14日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

十二代坂高麗左衛門 じゅうにだいさかこうらいざえもん
《陶彩景秋草図八角陶筥【とうさいけいあきくさずはっかくとうばこ】》 2002年
高さ14.2㎝ 径39.2㎝

十二代坂高麗左衛門(1949-2004 本名・達雄)は江戸時代に萩藩の御用窯だった坂家の、第十二代当主にあたります。坂は東京藝術大学で日本画を学び、大学での古典作品の模写や模刻を通じて平安時代の美術の優美さに心酔し、1984年に萩で作陶を始めてからは、培った絵画的な感性をやきものの器に落し込むことを探求し続けました。特筆すべきは、単に既存の器に絵付けをするだけではなく、絵を表現するのに適した器の形状をも模索し、器と絵の融和を図ろうとしたことです。初めは絵付けをする平面が広い筥や皿などから、後には水指・香炉・茶碗などの茶陶にまで発展し、その華やかな技法は「陶彩」と名付けられました。
本作品は蓋と身の上下一対となった陶筥の作品で、秋の情景を、萩焼の伝統では考えられない多彩色と筆致で内外面の両面に描いています。平安美術に心服した絵付けの表現は、どこか静けさを感じさせる、落ち着きのある景色を生み出しています。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕