お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2022年01月18日)

2022年1月18日(火)~3月13日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

止原理美 とめはらまさみ
《黒蜥蜴壺【くろとかげこ】》 2019年
高さ45.0㎝ 胴径33.0㎝

止原理美(1976-)は、陶芸家である父・伸郎【のぶお】の長女として萩に生まれ、大学卒業後に帰郷してからは、萩焼の伝統的な窯元である三輪家に師事し、その後、父の工房である土和窯で作陶を始めました。
本作品は2019年度に山口県立萩美術館・浦上記念館で開催された公募展「萩大賞展Ⅴ」の大賞受賞作品です。黒陶は止原の代表的な作風で、焼成時に作品に酸素を触れさせず炭化させ、黒色に発色させる技法で、父・伸郎が試行していたものに、止原が三輪家での修行の成果を加えてより発展させました。壺の頂部に留まる鮮やかな蝶は、黒陶とは逆の、酸素を与える酸化焼成で鮮やかに焼き上げたもので、黒陶と組み合わせる試みは、止原の中でも初めてのことです。底部から這いあがった蜥蜴が、頂上で再生の象徴である青い蝶と合流する様子をテーマとしており、萩の自然豊かな環境の中で作陶する止原の、生き物と生命に対する並々ならぬ拘りと信念が表れる作品です。

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕