お知らせ

【展示情報】山口県立萩美術館・浦上記念館すぽっと展示in空港ロビーの展示替えをおこないました。(2022年07月26日)

2022年7月26日(火)~9月25日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。

 

小野寺玄 おのでらげん

《伊豆土縞文淡黄釉角皿【いずつちしまもんたんおうゆうかくざら】》 1972年

高さ10.5㎝ 径44.0×42.0㎝

 

小野寺玄(1934~2016)は北海道釧路市生まれの陶芸家です。文化学院陶芸研究室で西村伊作【いさく】院長に師事し、後に文化人、美食家として知られる北大路魯山人【きたおおじろさんじん】のもとでの修業を経て、1962年に神奈川県大磯町に「潮音窯【ちょうおんかま】」を開き独立しました。小野寺の作陶の特徴は、素材となる陶土への徹底的な探求にあり、福井県の越前【えちぜん】土や、石川県の珠洲【すず】土など、各地の陶土を調査、研究しました。

本作品は1972年、小野寺が38歳の時の作品で、静岡県の伊豆で採集された伊豆土が用いられています。40センチを超える大型の角皿ながら、鎬文によって濃淡の掛け分けられた黄釉と伊豆土が組み合わさった色調は、どこか軽やかさすら感じさせる景色を生み出しています。作陶に専念した小野寺が試行錯誤を重ねたうえで、同年に日本伝統工芸展に初入選を果たしたのも同様の伊豆土を用いた組皿であり、この作風は小野寺の創作活動の原点とも言えます。

 

〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕